-放浪腐女発酵観察日記- ブログ版

オタな海外放浪貧乏旅行者の腐女子覚醒日記。SF,ロボット、天文好きな皆既日食ハンターの筈が、ある日うっかり腐海に墜落。やおい免疫あったが仇のBL大発症。急遽、隔離病棟設置。こちら腐れ外道blog。 ダダ漏れ萌えと、オタク独り語り、阿呆バックパッカー海外貧乏旅行バカ話しか御座いませんが、お暇ならごゆるりと(^_^;)  ★はてなダイアリーがメイン。こちら同記事の予備です(๑╹◡╹๑) http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/

 ミドカツSS <- ambient light - > <1> 

kokuriko-fufu2008-12-02

 みどかつSS <- ambient light - > <1> 



 ええっと。先々月にぐだぐだと妄想していた、克哉とメイドさん話を晒してみます……φ(。_。*)boko☆*\(-''- ;)  ベストエンディング後、半年になろ〜かって位でしょうか。二人はまだ同居はしてない設定、まぁ殆ど一緒に暮らしてるよーなもんだろってな頃(笑) 


まるでSSの体裁なしてないですが‥‥脳内CDドラマ風に平井さんの可愛いノマ声で読んで頂ければこれ幸いです(;^^A


ってことで、オリジナルキャラ注意報。気にならないというかただけ、どうぞ。御堂さんちのハウスキーパー、いえ敢えてこう呼ぶべし、有能なメイドさん、出てきます(笑)


 Photo by MH
ちなみに、ambient light って、間接照明ってことで(^-^; 



 



 みどかつSS <- ambient light - > <1>  






ドアが開く気配に目が覚めた。


吐き出すように咳が出た。喉の奥に血の味がする。まだ全身がだるくて重い。昨夜に比べれば、随分楽になった気がするけれど。薬が効いてくれたかな。とにかく早く治して出社したい。本当は今日も仕事が‥‥。


ぽかりとまぶたを開けると、カーテンの隙間からにじむ光が天井を淡く染めていた。落ち着いた色合いの内装。オレのアパートじゃない。ホテルの部屋? オレは一体、どこに? 一瞬、記憶が混乱する。顔を上げると、ズキンとこめかみに響く痛みに、思わず頭を抱えた。
思い出した。御堂さんの寝室だ。何度も朝を迎えた筈の部屋だけど、なんだか、まだ慣れない。


外回りで雨に濡れたせいか、タチの悪い風邪を引いた。昨日は定時に上がらせて貰ったんだっけ。まだ仕事が残ってたのに。



「顔色が悪いな。風邪か」
「すみません、体調管理ができてないなんて、社会人失格です」
「確かにそうだな。しかし、今日は大事をとれ」
「お言葉に甘えて、これで上がらせて貰います。一晩寝ればきっと大丈夫ですから」
「大丈夫という様子じゃないだろう」



夕方、MGNでの会話を思い出す。
不調を隠しきれずに、御堂さんに顔色を読まれてしまった。
そんな自分の未熟さを詫びようと口を開きかけたら、少しキツイ声で遮られた。



「謝るな。だから‥‥なぜ私に甘えないかと言っているんだ」



怒ったように逸らした顔の表情は見えなかったけど、御堂さんの耳の端が少し赤くなってた気がする。ふいに伸ばされた腕に引きずられるようにして、半ば強引に車に乗せられた。御堂さんにもまだ仕事があるのに。
一人で自分のアパートに戻りますって抵抗したけど、まるで聞いて貰えない。ならば私が君の部屋に泊まろう、なんて本気で言われて、困ったし。それに。




「反対の立場なら、君はどうする? 付き合って半年にもなるのに、そんなに私が信頼できないか」



御堂さんはずるい。あれは殺し文句だよな。それ以上オレが逆らえるはずもなくて。御堂さんがハンドルを切る横で、黙って助手席に沈み込んでいた。そんな間にも随分熱が上がってみたいで、車を降りても足元さえおぼつかなく、抱きかかえられるように部屋まで連れて来られた。まるでいつかのオレみたいに。


でも、玄関に置き去りにされたあの時とは違う。優しく居間のソファに座らされ、オレがぼんやりしてる間に、御堂さんは手際よく食事まで作ってくれた。


「食欲がなくても、空腹に薬は良くない。すこし食べなさい」


まるで子供みたいに世話を焼かれた気がする。軽く食べた後に用意されてた解熱剤飲まされて、気がついたらスーツ脱がされて、寝間着で主寝室の大きなベッドに寝かされてて‥‥多分そのまま、気を失うように寝込んでしまった。


随分、迷惑をかけたような気がする。熱で朦朧としてて、よく憶えてないけど。スープ掬ったスプーンを差しだしてくる御堂さんって‥‥オレの熱が見せた夢だよね。克哉眠るな、口を開けろ、とか声が聞こえたような気はするんだけど。


御堂さん、あれからまた会社に戻ったのかな。何処で眠ったんだろう。客間のベッドかな。あ。そういえば、初めて‥‥かも。御堂さんのベッドでセックスしないで一晩過ごしたのって‥って、オレ、何考えてんだ! えっと、でもその、今朝になって少し熱は下がったけれど、回復するどころか、鼻も詰まって喉もガラガラ、起き上がることも億劫で。


これじゃ、出社しても御堂さんの足手まといになるだけ‥‥だ。


大事な会議のある日に体調を崩すなんて情けない、そう怒られると覚悟してたのに、御堂さんはただ優しかった。



「完全に風邪だな。今日は休みたまえ」
「‥‥はい」
「売薬ならまだあるが‥‥往診を頼んだ方がいい」
「いえ、寝てれば、本当に大丈夫です」


出社時間。何か言いたげな背中をベッドから見送った。後ろ髪引かれるって、あんな感じをいうのかな。オレのこと、心配してくれてるんだ。それだけで風邪なんか関係ないぐらい、頬が熱くなるのを感じた。泣きたくなるような、全身に満ちてゆく幸福感。御堂さんが、御堂さんだけが教えてくれた、初めての感覚。あ‥‥でも、これで熱あげてちゃ、本末転倒だよな、オレ。


枕もとに運ばれた朝食のお粥。鼻づまりで味は分からなかったけど、どうにか口に押し込んだ。薬を飲むためにも食べなきゃ。少しでも早く回復して仕事に戻りたい。御堂さんの役に立ちたい。今、願うことがあるとしたら、それだけだ。そう思った。


咳き込みながらも、いつの間にか眠り込んでいたんだろう。今は‥‥枕もとの時計は11時半。外の天気は快晴かな。カーテンが閉めてあっても、部屋はうっすらと明るい。
さっき、玄関の開く音がしたのは‥‥夢? 御堂さんが戻ってきたとか‥‥まさか、今日の仕事は客先との打ち合わせで、絶対外せな‥‥。


ダイニングで何か物音がした。それから近づいてくる足音。やっぱり夢じゃない。起き上がる間もなく、寝室のドアが開いた。



「‥‥御堂さん?」
「失礼、お休みでしたか、御堂さん」



荒れてガラガラなオレの声に、澄んだ女性の声が重なった。
一瞬、事態が把握できず、オレは固まった。女の人って‥‥。しかも、このマンションの部屋の鍵を持ってるって、一体どういう‥‥もしかして、お母さんとか親戚とか? ええっ! でも、御堂さんって、名前じゃなくて姓で呼んだし‥‥まさか愛人?! いやその‥‥昔の恋人、とか? どうしよう。


ドア口に立っていたのは、ゆるいウェーブのかかった栗色の髪をきちんと束ね、化粧気のほどんとない、けれど、彫りの深い綺麗な顔立ちの女性だった。濃い眉の下に、大きく印象的なハシバミ色の瞳。年齢は、俺より少し年上で、御堂さんよりは下、かな。胸デカ‥いや、その、凄くスタイルがいいっていうか、女性にしてはかなり背が高い‥‥俺と同じくらい。


‥‥美人、だけど。御堂さんとお似合いなくらい。



一瞬、驚きを隠せないという顔でオレを眺めていたそのひとは、すぐニッコリと微笑んだ。



「初めまして。私、HMカンパニーから派遣されておりますハウスキーパーです。お休み中、大変失礼致しました」



ハウスキーパー? そういえば、エプロンしてる‥‥手に持ってるのは掃除機、だよな。そうか。御堂さんが週に何度か頼んでるって言ってた家政婦さんか‥‥。こんなに若い女性だったんだ。でも、良かった、親戚の人とかじゃなくて。万が一そんなことになったら、オレどう名乗ったらいいのか‥‥。



「は、はじめまして。えっと、オレは、‥‥いえ、私は」



ふと我に返る。オレ、この人に名乗っていいのか? 
会社の部下って言ったら‥‥それこそ会社名バレることになるし。御堂さんの立場上、ヤバイんじゃ。だって‥‥今、俺が寝てるのって、客間でなくて御堂さんの寝室のベッドだし。どう言い逃れすればいいんだろ? ダメだ、熱で頭が廻らない。



「御堂さんのお友達でいらっしゃいますか」



え?



「恐らく、昨日少しお酒を過ごされて、ご友人のお部屋にお泊りになり、そのままお風邪を召して休まれてるのかと」



枕元には、御堂さんが用意してくれた食事の残りや、風邪薬の箱、水や飲み物のペットボトル、替えのタオルが山積みになってる。そう解釈してもらえれば有難いけど。っていうか、言われた通りなんだから、オレが意識し過ぎか。



「‥‥はい」



優しいっていうか、さすがの気遣いっていうか、その、ちゃんと言い訳を用意してくれるというか。こっちが慌てたのが恥ずかしいほど、まるで自然な口調で話しかけてくれる。好奇心を覗かせるでも、訝しげな態度でもない。ずいぶん慣れてるというか大人というか、プロなんだ。でも‥ってことは、ハウスキーパーしてれば、こういうことって、よくあることなのか。


この‥‥御堂さんの部屋でも、何度か、あったことなのかな。



「少しよろしいですか」



一瞬、自分の考えに気を取られていたら、ふわりと手首を握られた。 え? 脈を取ってる‥‥のか。女の人の手の柔らかな感触。甘い匂い。



「ご心配なく。準看ですが、看護師の資格もありますので。はい、口を開けて‥‥少し舌を出して頂けます?」



そのテキパキとした物腰のせいか、病院にいるような感覚で、言われるままに口を開ける。



「今朝、解熱剤は飲まれましたね? まだ微熱はありますけど、売薬が効くようなら、この時期ですし、インフルではないと思います。少し扁桃腺が腫れてますけど、恐らくただの‥といっては失礼ですが、風邪ですね。安静にされていれば治ります」



素直にうなずく。なんというか、看護婦さんだと思うと、恥ずかしさも少し薄れるから不思議かも。その時、狙いすましたように、女性の携帯が鳴った。エプロンのポケットが光ってる。



「失礼、ちょうど御堂さんからのご連絡のようですので」



席を外すか、ちょっとだけ迷ったようだけど、彼女はその場で話し始めた。



「はい、HMの‥‥ええ、もう到着しまして‥‥いえ、こちらこそ申し訳ありません。本日はいかがされますか? ええ、いらっしゃるとは存じませんで、寝室の掃除をしようと‥‥はい、たった今お会いしたところです」



オレのことだ。御堂さん、オレ、どうしたら‥‥。



「お身内の方ですか。はい、ご本人、ご家族の病気の場合の付き添い、介護、看護もご契約のうちに入っております。追加チャージは‥‥はい、それで結構です」



短く通話は終わって、携帯を閉じると彼女はニッコリ笑った。



「失礼しました。お身内でいらしたんすね。御堂さんご自身と変わりなくお世話するようにと。ご用事がありましたら、なんなりとお申し付けください」



み、身内って。



「それから、そちらの携帯にお電話してもお返事がなかったということでしたけれど」



あ、携帯。枕元に置いたつもりが、多分、マナーモードで鞄の中だ。鞄‥‥何処に置いたっけ。熱で、昨日の記憶が曖昧だ。



「その前に‥‥お着替えされますか?」



あっ。ぼうっとしてて、しかも突然のことに何も羽織る暇もなかったけど、パジャマ姿だ、オレ。しかもボタン外れてて、寝汗でヨレヨレ。



「何か着替えるものは?」



クローゼットにあるけど、どうしよう。殆ど一緒に住んでるって白状するようなものだし。でも、み、御堂さんが身内って言うなら、別にいいのかな。



「‥‥ええっと、その、そっちのクローゼットの左の‥‥薄緑の‥‥」



三番目の引き出しという前に、彼女が動いて、迷いの無い手つきで、薄緑のパジャマと白いローブを取り出した。どちらとも御堂さんがオレが泊りに来るときのために買ってくれたもの‥‥。



「こちらですね」



にっこりと微笑んだ顔と、その瞳には、何もかも知ってますよって、ハッキリ読めるほどに書いてある。あぁああ、オレ、どうしよう。



「有難う御座います」



真っ赤になりながら、理解した。
そうだ、この人って、ここに何年も通ってる家政婦さんで‥‥つまり、御堂さんの生活をずっと見てきた人なんだ。で、このパジャマを洗濯して、畳んで引き出しに用意してくれてるのも、いつも彼女で‥‥。


うわ、オレ、そういうの全然意識してなかった。御堂さんと付き合い始めて、もう三ヶ月になるのに。毎週末、この寝室で過ごしてたのに。
彼女はその間にもテキパキと棚やクロゼットの中を片付け、背中越しに話しかけてくる。



「もし、動けるようでしたら、シャワーをお浴びになりますか? できたら、その間に、シーツも交換させて頂ければ、私も助かります。ずいぶん、寝汗をかかれたようですし」



確かに、パジャマだけじゃなくて、シーツも汗でグチャグチャで気持ちが悪い。換えて貰えればすごく有難い‥‥って、あ。
つまり、今までずっと、この寝室の掃除も、シーツの洗濯も、ベッ‥‥ベッドメイクもしてくれてたってことなんだよな、彼女が。あの、このベッドの、その‥‥色々、後始末を。


赤くなっていたけど、オレ、青ざめた。ってか、今のオレの顔色、真っ青に違いない。もう誤魔化しようがないというか、‥‥御堂さん、御免なさい。ただの身内とか、同居人とかってシラを切れると思ったオレがバカでした。せめて、その、シャワーを浴びて頭をハッキリさせよう。



「お、お願いします」



頭を下げたオレの前には、他の引き出しから、バスタオルと下着までがさらりと差し出された。しかも、ちゃんとオレのぱんつだし‥‥! 完敗だ。御堂さん、オレ、どういう顔してればいいんですか。


でも、別に変な目で見られたりしないし‥‥御堂さんが雇ってるくらいだから、仕事も出来れば口も堅いひとなんだろうな。


ベッドから抜け出して、彼女の方をちらりと見る。彼女は、顔の端で微笑み返してくれ、仕事の手は止めずに、クロゼットから新しいシーツやコンフォーターカバーを取り出し、ベッドメイクの準備を始めた。


うん、とても感じのいい人だ。凄く働き者だし。でもちょっと今は、恥ずかしくて顔を合わせられない。逃げるように寝室を出て、シャワールームへと居間を横切ると、ソファの上にオレの鞄があった。携帯を取り出そうと鞄を開けると、途端に着信があった。御堂さんって、鋭い。



「はい。克哉です」
「具合はどうだ。大丈夫か?」
「はい、ずいぶん良くなりました」



良かったと、やわらかな御堂さんの声がする。まずは仕事に穴を開けたお詫びをして、進捗を聞くべきなんだろうけど、次に口から出たのはこんな言葉だった。



「あの人って、ずっと通ってきてるハウスキーパーさんなんですか」
「もう5年近くになるな。なかなか有能な人材だ。それが、なんだ?」
「いえ、何も‥‥」



5年も、彼女は御堂さんの生活を見てきたのか。電話の向こうで、御堂さんが小さく笑った。



「何か気になることがあるか」



知ってるんだよな、御堂さん。最近、オレが御堂さんのこと何も知らないって悩んでること。御堂さんの昔のこと、馬鹿みたいに気にしてるってこと。なのに、聞けないままでいること。



「勿論、彼女には職務上、顧客のプライベートに対する守秘義務がある。だが、君の言葉は私の言葉だと言ってある。構わないぞ、何を頼んでも‥‥何を聞いても」



御堂さん、鋭すぎるというか‥‥ズルイというか。そんなこと言われたら、オレ‥‥。



「今日がキーパーが入る日だと失念していて悪かった。驚いたか?」
「はい、少し」



っていうか、物凄く驚いたけど。



「だが、丁度良かったな。私も一人の君を心配せずに仕事ができる」



二、三の仕事上の確認をしてから通話は切れた。汗に濡れたパジャマの襟元にひやりと冷たく風が入って、かすかな震えが身体を駆け抜ける。くしゃみがひとつ、出た。


とにかく、シャワーを浴びてこよう。




To be continued...

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