-放浪腐女発酵観察日記- ブログ版

オタな海外放浪貧乏旅行者の腐女子覚醒日記。SF,ロボット、天文好きな皆既日食ハンターの筈が、ある日うっかり腐海に墜落。やおい免疫あったが仇のBL大発症。急遽、隔離病棟設置。こちら腐れ外道blog。 ダダ漏れ萌えと、オタク独り語り、阿呆バックパッカー海外貧乏旅行バカ話しか御座いませんが、お暇ならごゆるりと(^_^;)  ★はてなダイアリーがメイン。こちら同記事の予備です(๑╹◡╹๑) http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/

三浦しをんさんに再び醸された (ノ_・、)

kokuriko-fufu2010-11-12

三浦しをんさんに再び醸された (ノ_・、)



先日、三浦しをんさんのまほろ駅前番外地』をようやく手に致しました。直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の続編ですな。そうなんです、漫画への愛とBL好きを公言してはばからない、我らが腐女子綺羅星・しをんさんの本、あれから読もう読もうと思いつつ、『月魚』始め幾冊か借りてきたのに、なぜか一頁も読めなかったりした(体調のせいもあって、本が読める時期と読めない時期の差がが激しくて)んだけど、今回は、ずぶずぶとハマリました、しをんわーるどw

まほろ駅前番外地

まほろ駅前番外地

前作まほろ駅前多田便利軒』を読んだ時、人の心の機微、世の遷りを描いて巧みな小説よと思いつつ、時折、物語の流れから飛び出して、キラリキラリと銀の鱗をきらめかせる若魚のような比喩表現に、魅せられつつも戸惑ったんだけど、今回はまた、これが.。゚+.(・∀・)゚+.゚w はい、文体自体は変わらないようでいて、とても読みやすくなってるかと。前作が吟醸酒だとしたら今回は純米大吟醸の醸されっぷり。薫り高うございます。水のようにするすると喉越しよく、飲んだ後にほっこりと胃に落ち着いて、気持ちの良い酔いが。お魚たちも澄んだ水の中でヒラリヒラリと閃いて。くうう、また一段と旨い、美味しい〜!と先を急いで飲み、いえ、読み進んでいくと‥‥後半、主人公の心情に踏み込んだところにくると、また、キラッ、キラッと、文体の整合性を越えて危ういほど鮮やかに銀の鱗が飛び跳ねる。水しぶきに感じる苦味。ドキリとするんだけど、ああ、しかし、それがたまらんw
まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

あ、すみません、意味不明なことを(^-^; ぶっちゃけどーゆうことかとうと、下手をすれば下手なラノベラノベ好きとしてこういう言い方はしたくないのだが)に堕ちる、安いBL(BL好きとして以下同文)って、になりかねんところを、文芸作品として鮮やかに決めてくれる、その圧倒的な表現力、いや小説力に感服した。文学からハミ出してなお文学っていうか。(BLとしてももぉ最高タマラン!) 一般小説ってさ、あんまりキラキラしてちゃダメ、いぶし銀じゃなけりゃ無粋みたいなシバリがある気がするのよね。いや、でもこの三浦しをんのこのキラメキ。巧みだから許されるというよりも、己の巧みさ、培った技術をなお突き破って現れる作家のパッションなのかもしれないな。うん、だからこそ‥‥萌えるのね。はい、最高の褒め言葉として萌えますわ! いやー、久しぶりに小説を読んでミナギった! へい、ワタクシ感動すると照れる余り、技術的なことに語り逃げる癖があるのよおおおお。
悶絶スパイラル

悶絶スパイラル

しかも、このまほろ駅前番外地』。(またイラストが素敵なんだよね〜♪) 短編オムニバスなんですが、一話、思い切り<同人手法>を使ってお話が描かれております(笑) はい、古い言い方でいうなら「見立て」っすね。主人公、多田便利軒のふたり、多田と行天が、或るお婆さんの昔々の恋バナを聞かされるってお話なのですが、その恋物語の中、若かりしバアさまを巡って恋敵だった男二人が、名前は忘れたが多田と行天そっくりのイイ男だったってことで、バアさま、彼らの名前をつけて語り始めちゃう。強引にロマンスの登場人物にされてしまうわけです、あのふたりがw ええ、同人でよくある、好きな漫画のキャラクターをパラレル世界に引き寄せて「学園もの」や「医療もの」を演じさせたりするみたいなアレ。「大正レトロ」世界で多田便利軒のふたりが恋の鞘当て(笑)  くううぅ、やってくれるぅ(ΦωΦ)フフフ… モノクロームの恋愛浪漫映画を見るようよ。いや、私は見た! 脳内妄想再生された! 

むかしのはなし (幻冬舎文庫)

むかしのはなし (幻冬舎文庫)

「むかしのはなし」「風が強く吹いている」エッセイ「悶絶スパイラル」も一気に読んじゃった〜♪ やはりオムニバスの「むかしのはなし」もこれが、日本昔話の翻案なんつう、ありがちなお題なんだけど、凄い。まさかこ〜ゆう方向に行くとわーっ!ってトコまで連れて行ってくれます。好きっ! (ちょいネタバレになるけど、もし新井素子の『ひとめあなたに』が大人の筆で書かれたらって感じ!) 
いやしかし、自分でも意外だった。勘弁してくれヨなんだけど、「風が強く吹いている」にゃあ、ヤラレました。古式床しい熱血スポコン(?)もの、しかもスポーツの中でも地味も地味な駅伝選手たちの物語だっつーのに! くううう、しかもこれ、BL的にもスンゴイ美味しいんですけどっ!! どうしたらいいのーっ! 泣かせるが売り文句なんかにしたくないんだけど、章ごと、章ごとに目頭が熱くなって困った。とても困った。気がついたら食卓を台ふきんで拭きまくってたわよ。アゴからたれちゃうんだもん、塩水が!
風が強く吹いている

風が強く吹いている

いやしかし、これ。小説、小説なんだけど、正統派スポコン漫画なのっ!「ベテラン漫画家によるコマワリの妙技を見よ!」って叫びたい。さすが元漫画編集希望の作者、漫画を愛しつくしてきたことだけはある。いやもぉ、すげーっ! 視点の動かし方が小説じゃないよ! 小説には不可能なほど超絶技巧で漫画だよ。しかも人の心を鷲掴みにする漫画だ! 多くの名作スポーツ漫画が、少年少女の心を燃やし、スポーツ人口の裾野を広げ、プロになる人間さえ生んできた。漫画には、人を、人の人生を動かす焔のような力がある。それと同じように、この作品も読んで、まぢ駅伝目指す、走り出す人間がいるって思う。はぁ〜^。いや、もぅ凄いと思ってたら、この作品、漫画や舞台、映画にもなってるのね。去年大ブレイクしとったのか(^-^; そーだろおなぁ。いやほんと、これ、そのまま絵コンテが立ち上がるような小説だもん。そりゃ映像化したくなるよね。実際するとなったら大変だろうけれど。反対に映像や漫画のノベライズやる人はお手本にすべき小説かも。ほんと、すごい文章力だわ。いや、でも、その技術に負けない溺れない情熱の熱さが何より凄い。これが才能ってやつか。
仏果を得ず

仏果を得ず

ああ〜〜ぁ、そして、読むと。女として言いたくないけど言っちゃう。「男ってズルイ!」 これがリアルかどーかは知らない、でも、男“で”しか描けない世界だなって思う。この世界、この関係性。女を主人公にしてはやはりり描けない。男(の作家)に書けるかどうかは別として。(だから、BLはやめられねぇんだよ!) なんとうか、このうつくしいもの。触れられないと知ってあこがれずにいられない世界。そう、三浦さんって、時折この言葉を「うつくしい」とひらくのだ。圧倒的な喚起力を持つ漢字「美」を使わず、ひらがなでひらく。時々に、いろんな意味を含むのだけれど、それはなにか静謐な、定まっている美ではなく、花がほころぶさま、春の息吹にひらこうとする咲くものの意思を感じさせる、動的で不安定でそれゆえに目が離せないようなうつくしさ、なのではないかと私は感じる。はううう。うーん、私は何を言ってるんだ。ああ、とにかく、三浦しをんに萌えたっすよ〜〜♪♪+* ヽ(´▽`*)+* 未読のかた、読み賜えっ!o(>_<*)
メッセお返事、今更ですが少しづつ書いております。本当に申し訳ありません。