-放浪腐女発酵観察日記- ブログ版

オタな海外放浪貧乏旅行者の腐女子覚醒日記。SF,ロボット、天文好きな皆既日食ハンターの筈が、ある日うっかり腐海に墜落。やおい免疫あったが仇のBL大発症。急遽、隔離病棟設置。こちら腐れ外道blog。 ダダ漏れ萌えと、オタク独り語り、阿呆バックパッカー海外貧乏旅行バカ話しか御座いませんが、お暇ならごゆるりと(^_^;)  ★はてなダイアリーがメイン。こちら同記事の予備です(๑╹◡╹๑) http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/

NHKBSP 知られざる在外秘宝第1回「北斎漂流〜初公開 謎のイスラエル・コレクション」と少女漫画とアニメw

kokuriko-fufu2011-05-10



NHKBSP 知られざる在外秘宝
第1回「北斎漂流」
〜初公開 謎のイスラエル・コレクション〜と少女漫画とアニメw



昨日の第一夜、凄く面白かった!
イスラエルの博物館を訪ねて驚いた、とても良質な日本画や仏像コレクションの数々。そして、なぜか地中海は港町ハイファにある日本美術館。あの浮世絵のコレクションも、ユダヤ・マネーの為せる業とは思いつつ、どうしてここに?‥‥と不思議に思ってたが、まさに、その謎が明かされた一夜目。


BSオンライン NHKBSP
NHKBSP 知られざる在外秘宝
第1回「北斎漂流〜初公開 謎のイスラエル・コレクション」
http://www.nhk.or.jp/bs/temporary/hihou.html


近年、葛飾北斎を代表とする浮世絵の未知の名品が発見された。ユダヤ人の画商ティコティンが大戦の間、命がけで守り抜いたコレクション、3000点余。浮世絵は明治の日本からフランス、そしてポーランド、ドイツ、オランダを彷徨い、イスラエルへ渡る。日本への憧れや夢、ヨーロッパ人の様々な思いを映しながら流転した北斎。その100年にわたる漂流を追う。


5月9日(月)午後9:00〜10:30 
第1回「北斎漂流〜初公開 謎のイスラエル・コレクション〜」
5月10日(火)午後9:00〜10:30 
第2回「発見された桃山のジャパン〜スペイン・修道院で守られる蒔絵〜」
5月11日(水)午後9:00〜10:30 
第3回「徹底分析・写楽全作品〜浮世絵版画全145枚が語る謎の絵師〜」
5月12日(木)午後9:00〜10:30 
第4回「写楽・解かれゆく謎〜ギリシャの浮世絵が語る正体〜」


再放送も、絶対あると思うので、浮世絵やマンガ好きならぜひぜひチェックを!

北斎

北斎

3年前に、一度このblogで紹介済みなのですが、タイムリーなので再録、失礼。
http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/20080828



ティコティン日本美術館  イスラエル ハイファ
http://www.tmja.org.il/Museum/TMJA.asp?DBID=1&LNGID=1

wiki Tikotin_Museum_of_Japanese_Art
http://en.wikipedia.org/wiki/Tikotin_Museum_of_Japanese_Art


参りましたよ、イスラエル。2005年の訪問当時は、残念ながら改装中(無念っ!)で、一部スペースのみの開館でした。しかしなんとそれがまさかの、「本物の浮世絵と日本少女マンガの比較展示」 (O.O;)(oo;)ビックリ! 世界中をも魅了する日本サブカル。そのオリジン浮世絵と正統たる末裔少女マンガを、比較展示と?! しかも、24年組がメイン。Σ(; ゚Д゚)な、なんとっ! (若いお嬢様がたには今いちピンと来ないネタかな(^-^;)


  もっと写真撮ってくればよかった。( ;∀;)


萩尾望都ポーの一族」「トーマの心臓」 竹宮恵子風と木の詩」 大島弓子綿の国星」 山岸涼子日出処の天子」‥‥etc

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

この東も果てる地で、思いもかけない邂逅。彼女たちの漫画を貪るように読んで育った極東育ちとしては、ただ感動で震えるしかない。写真にあるように開いて紹介されてるページがツボというか、しっかりと名シーンが選んであって、しかも丁寧な英語とヘブライ語の翻訳添付まで!Σ(@△@;)
「こ、こ、ここのコーナー企画した学芸員はどいつだっ!? 出て来い!」と叫びそーだったわ。くう、できるな、おぬし。o(>_<*) まこと日本文化への深い愛を感じて敬服ぢゃ。改装後のオープニングエキシビジョンは、日本アニメ特集だって告知ポスターもあったし。(゚〇゚;) もぉ、お友達になってっ!*゚∀゚)*。_。)  この国を好きとはクチが裂けてもいえないが、こういうセンスは認めるにやぶさかでないよヽ(´ー`;)ノ 

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

だから、すごく“わかってる”美術館だなと思っていたけど、この比較展示手法にも、実は長〜い歴史があったのね。今回の番組によると、この美術館を作った日本美術コレクター・ティコティン氏は、なんと昔々、北斎レンブラントゴッホの素描のみの同時比較展をやらかしたらしい! (」゜ロ゜)」(」゜ロ゜)」(」゜ロ゜)」 ヨーロッパ美術史最高峰の画家レンブラント、そして北斎に強く影響を受けた天才ゴッホとの組み合わせとは! 一時は欧州中を席捲したジャポニズムブームも下火だった当時、北斎の素晴らしさを再認識させるのに、これ以上はないってなアプローチ。うむ、このセンスを引き継いでの「浮世絵&24年組」か。人に歴史あり、美術館は一日にして成らず、だね。

レンブラント―フォルムの素描家

レンブラント―フォルムの素描家

Van Gogh: The Complete Painting (25)

Van Gogh: The Complete Painting (25)

ついでに、エルサレム国立博物館の本館で、その時、日本現代美術の展示会が。結構な規模で質も高くて驚いた。

「ライジングサン・メルティングムーン」
http://www.imj.org.il/eng/exhibitions/2006/sun/index.html
展示写真沢山あり。一番下の地図に散らばっている青いボタンをクリックすると、会場内風景がパノラマで見れます♪

束芋 断面の世代 Tabaimo

束芋 断面の世代 Tabaimo

アプローチが、ちょっとエログロ、キワ物扱いぽかったけどね(^-^;;;;
奈良美智さんの浮世絵パロディ作や束芋さんの作品に出会えたし、本物の春画初めて見た(^-^;;;;  しかし、オタク的に報告したいのが、この会場の片隅で、「新世紀エヴァンゲリオン」のDVD上映してた! ええ、現代アートの一角を担って♪  モノホンの死海文書展示してる隣(の建物)でだよっ!(笑) そこに感動した私は根っからヲタクだがな.。゚+.(・∀・)゚+.゚w
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]

政治的、治安的に気軽に行ける国ぢゃないだろうけど、美術的には結構穴場。西洋絵画も古典や宗教画から、シャガールは言わずもがな、思い出せるだけでもブリューゲルマグリットクリムトピカソにって、巨匠の作品も沢山あるし、現代アートも面白い作品あるのよね。博物館コーナーも凄いよ。
ちいさな星通信

ちいさな星通信

そうだよねー、まだまだ経済復興途中の東ヨーロッパを旅していた時は、美術館(建物の造りは立派だが、ボロボロ。床はキシんで穴だらけ。客が来た時だけ電気つけるけど、凄い暗いw)をよく回りましたが、ルーマニアだったかブルガリアだったか、浮世絵の凄いコレクションがあって驚いたのよ。日本じゃ、民間の小規模な浮世絵美術館はあるけど、公立、国立美術館とかじゃ、西洋画か、お行儀のヨイ、つまんねー日本画ばっかで、浮世絵展示なんかロクに見たことなんかなかったぞ。昔はほんとマンガ雑誌扱い。最近はずいぶん変わってきたけどね。「写楽」も見に行こう!(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ !


特別展「写楽」 東京国立博物館 5/01〜6/12
http://sharaku2011.jp/

オリジナル・サウンドトラック 「SOUND of The Sky Crawlers」

オリジナル・サウンドトラック 「SOUND of The Sky Crawlers」

そう、番組でも紹介されてたように、ポーランドでも出会った、浮世絵とマンガに。


ポーランド クラクフ
日本美術・技術センター“マンガ”館
Manggha Centre of Japanese Art & Technology
http://www.manggha.krakow.pl/

wiki クラクフ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%95

北斎漫画 <全三巻> 第一巻「江戸百態」

北斎漫画 <全三巻> 第一巻「江戸百態」

ここのコレクションも、海外流出したのが悔やまれるような名品ばかりで驚いた。嗚呼、痛恨の廃仏毀釈の時代よ。‥‥でも、かつて大国の戦争に蹂躙され続けたこの国の人々を勇気付け、今もこんな綺麗な町で、こんな風に大事にしてもらえてるなら、この美術品たちも幸せなのかな。古城と川の眺めが素晴らしいカフェテラスでは、日本茶とアンパン(っても餡デニッシュw)食べられるし、お土産コーナーでは、北斎のお化け浮世絵グッズのほかに、「攻殻機動隊」とか「銃夢」か「超人ロック」とかの英訳本が売ってたし、良い所だw
ポーランド (ナショナルジオグラフィック世界の国)

ポーランド (ナショナルジオグラフィック世界の国)

番組では、もっとイロイロ深い歴史的逸話が語られてました。私が半端に紹介するより、まずは見てのお楽しみ!かな.。゚+.(・∀・)゚+.゚w  でも、浮世絵が虐げられた者たちの屈折した感情の受け皿(?)になってたってのは、ほんと今のアニメと変わらんなぁと思ったり。ちなみに、番組BGMには、増田俊郎作曲『蟲師』はじめ、聞きなれたアニメのサントラが色々とw 最後のシメは川井憲次作曲『スカイクロラ』のメインテーマw あのアニメの舞台も一部、クラクフがモデルだから大変正しい選曲ですねw もぉ最近のNHKのオタクぶりは濃いなw

しかし、海外コレクターや画商がいなかったら、これらのコレクションは今に残らなかったんだと思うと、複雑だよね。ハゲタカ同然の画商に二束三文で買い叩かれ、あるいは略奪同然に海外流出してしまった物もあるとは云え、その価値を知らず、作らず、守らず、手放したのは我ら日本人。今、海外で大事にされているとは云え、悔しいと思う。とても悔しい。だって、本場本国より他国に良い物があるって、本末転倒かと。
芸術起業論

芸術起業論

で、この歴史の愚行は繰り返されてる。今は、サブカルと叩かれ、美術品扱いされてないマンガ。著作権無視、タダ同然で世界中のネットに流れてるアニメ。まさに流出当時の浮世絵と同じ状態なんだよね。ベネチア・ビエンナーレ「侘び寂び萌え」みたいな企画はあったけど、日本人が一番価値に気づいてないんだよ。‥‥別に今、アートと呼べとは言わない。でも、日本アニメを守ろうよ! 貴重な資料が廃棄、散逸する前に、せめて公立、国立で収蔵場所や収集システム作りましょうよっ! 箱物、国立マンガ喫茶とあざ笑われてても、今やっておかないと、再び(現代の)北斎は漂流するぞ! 浮世絵の二の舞だよーっ!o(>_<*)