-放浪腐女発酵観察日記- ブログ版

オタな海外放浪貧乏旅行者の腐女子覚醒日記。SF,ロボット、天文好きな皆既日食ハンターの筈が、ある日うっかり腐海に墜落。やおい免疫あったが仇のBL大発症。急遽、隔離病棟設置。こちら腐れ外道blog。 ダダ漏れ萌えと、オタク独り語り、阿呆バックパッカー海外貧乏旅行バカ話しか御座いませんが、お暇ならごゆるりと(^_^;)  ★はてなダイアリーがメイン。こちら同記事の予備です(๑╹◡╹๑) http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/

よしながふみさんがティプトリー賞っ!!

kokuriko-fufu2010-03-19

よしながふみさんがティプトリー賞っ!!


きゃーっ!! よしながふみさんの『大奥』を初めて読んだとき、確かに思ったのだ。(ここの日記(後半)にも書いてたし) 彼女は、ル・グイン、そして、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの系譜だと!! (いや、私アホだから、ティプトリー賞って賞の存在は、今回初めて知ったのですが(汗) 91年に設立されていたのね。そして『大奥』って、センス・オブ・ジェンダー賞も受賞していたのか!)

Ooku: The Inner Chambers, Vol. 1

Ooku: The Inner Chambers, Vol. 1

コミック・ナタリー 受賞記事 

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア文学賞 サイト(英語)

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア文学賞 wiki 
センス・オブ・ジェンダー賞 wiki

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

英訳は、VIZから出版されてたのか。さすが! あの出版社のチョイスはナイスだわw いや、米国で『大奥』が賞を取ったと聞いた時、「あれ? もう映画完成してたの? 何か映画賞でも取ったの?」って、思ったんだけど、ティプトリー賞、なんと、漫画版での受賞ですよ!!! うっわあ、色んな意味で嬉しいなぁ。嬉しいなぁ。うん、「大奥」は受賞に足る作品、海外に出して恥ずかしくない、日本が誇れる素晴らしい作品であると思うっ!!!
Ooku: The Inner Chambers, Vol. 2

Ooku: The Inner Chambers, Vol. 2

日常の中に命のやり取りをしている時代。個人の意思など風前の塵に等しく、人々が運命に翻弄されるしかない世の、凄まじさ、遣る瀬無さ、救いのなさ、それゆえの愛憎の深さ、刹那さが、触れれば切れるような手触りで、そこにある。最近、歴史モノ流行りだけれど、単なる額縁代わりに時代設定使ってるような安易な商品ばかり目に付く中、これほどに時代劇という舞台を使い切っている作品を私は知らない。
大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

なぜ日本が、大奥が、男女の役割の交代した状態になったのか、その謎を解き明かしながら話が進むのだけれど、そこにあるのはミステリーの面白さというより、人間の綾を読む面白さ。煌びやかで奇抜な設定は読み進むごとに背景でしかなくなり、その金銀の屏風の上に、人の血で鮮らかに描かれる物語絵図の、なんと美しく恐ろしいこと。
リアルと様式美が混在しながら引き立て合う異世界。一読すればもう、よしながさんのトリコー! あ、ティプトリー好きかと言われるとビミョウな私(笑) ミーハーSFファンとして、一通り読みましたけれども。ええ、懐かしサンリオSF文庫とかで(笑) 私は、軟派なので、マリオン・ジマー・ブラッドリーやアン・マキャフィー世代のほ^−が好きだな、うん。あ、いや勿論、読む価値はありましてよ。ル・グィンと並び古典の貫禄でありますからにして。とっつき易く読みやすいのは、「たったひとつの冴えたやり方」ですかね。少女漫画家の川原由美子さんの表紙も懐かしいなぁ……。ハヤカワSF、タニス・リーの「銀色の恋人」も昔は彼女の表紙だったっけ。そういえば翻訳者の浅倉さん、最近お亡くなりに……。(/_・、) なにより、ティプトリー賞はジェンダーに対する理解を深めることに貢献したSF・ファンタジー作品に与えられる賞なのですよね。よしながふみさんが、この賞を受けたというのは意味がある、というか、今、彼女以上にふさわしい日本人作家は、そういない、うん!o(>_<*)  イロイロ語りたいけど、今はちょっと体力がないので、過去日記にこんなこと書いてたなぁ、と。
http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/20081112
よしながさんって、ジャンルを、そして読者を、育てる力のある作家だ。志高き啓蒙家なんだよね。そして何よりエンターティナーだ。くぅ惚れるなぁ。対談集、もう一度、読み直そう!
よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり