「ブロークバック・マウンテン」読んでみた。
うだうだとキチメガRのコンプリートに踏み切れないまま、先月、映画を観た「ブロークバック・マウンテン」の原作邦訳本を読んでみました。あ、眼鏡克哉の愛読書ことカフカの「変身」も再読するつもりが忘れてるな(笑)
ああ、小説だ。小説だなぁ……。あ、いや、当たり前ですが、映画を先に見ているもので。映画との文法表現の違いが際立つな。邦訳に賛否両論あるようですが、元々原本もネイティブにしてエキセントリックな英語であるらしい。手触りの粗く、掘り当てた原石を磨くどころか土も拭わず、そのままに投げ出すような文章。映画のような胸暖める救いと和解はなく、人生の苦さ、人のどうしようもない弱さ、狡さを有りの侭描いて躊躇しない。妻や子、周囲の人間が障壁か重荷としか感じられない主人公二人、イニスとジャックの視点から離れることなく、それは最後まで他の誰とも繋がることの出来ない、哀しいほどに狭く貧しい彼らの限界を炙り出す。容赦なく。
そうだね、映画でも原作でも、私はこの物語に描かれる関係を“純愛”と呼びたくはない。時代さえ許せば彼らは幸福な二人であれたか? 否、おそらく。愛することも愛し合うことも知らない男と男が、青い鳥の鳴く天地でただ一度分け合ったぬくもり、刹那の魔法の時を忘れられなかった、その為に地上で幸福になれなかった、誰も幸福に出来なかった、それぞれにただ不器用で孤独であった、それだけの話なのかもしれない。けれど
<更新中> 明日に続きます¢(..) boko☆*\(-''- ;)